わたしが行った7カ国と各国の街はこちら。
- オランダ(4泊)ハールレム、アムステルダム、ロッテルダム
- ベルギー(2泊)ブルージュ、ブリュッセル
- フランス(3泊)ストラスブール、コルマール
- ドイツ(4泊)フランクフルト、マインツ
- イギリス(5泊)ロンドン
- ポルトガル(5泊)リスボン、シントラ
- スペイン(5泊)バルセロナ、シッチェス
行きと帰りのフライト時間を含めてちょうど31日間の旅。24日目の記録です。
バルセロナ空港で朝を迎える(人生初の空港泊)
リスボンからバルセロナまでは、LCC「ブエリング航空」で約2時間のフライト。バルセロナ空港に到着したのは夜中2時だった。
バルセロナ中心部まで行く24時間バスがあるようだったが、夜中にバス停からホステルまで女一人で歩いていくのはさすがに危ないと思い、人生で初めて空港泊をすることにしていた。
深夜のバルセロナ空港。明かりがついているのはカフェ1軒だけ。思っていたよりも空港で朝を迎えようとしている人は少なかった。
「夜明けまで4時間かぁ。イスに座って、本でも読んで待ってよ」
リスボンで飛行機に乗る前はそう思っていたのだが、バルセロナに着いた頃にはフルマラソンを完走した後のように体がダルい。1日中コンタクトを付けていたかのように目が開かない。
「あと4時間も待つとか長すぎる…」
空港泊を選択したことに後悔をしながら、落ち着けそうな場所を探した。
近くにコンセントがあるイスを見つけたので急いで座った。深夜の空港ではみんなスマホを充電しようと、イス取り合戦のようにコンセント近くのイスを狙っている。イスに座った後も、スマホとUSBコードを持ってウロウロする人が何人も目の前を通り過ぎて行った。
「ずっとコンセントを占領しているのも悪いな」と思い、ウロウロと探し回っていたおじさんに「ここ使ってもいいですよ」と声をかける。
「Thank you!」
そう言いながら、おじさんはわたしの真後ろに座ってスマホを充電し始めた。
ヨーロッパで特に多い犯罪はスリや置き引き。空港も例外ではなく荷物はひと時も目を離せない。スーツケースは座っている足の間に、ショルダーバッグは肩にかけたまま、目だけ閉じて体を休めた。
ふと後ろを見ると、先ほどコンセントを譲ったおじさんはイスにがっつり横たわって寝ている。そのおじさんが危機感が薄いタイプなのか、旅慣れしているのかは分からなかったが、どこでも寝られるという才能は少し羨ましかった。
***
夜明けが近づいてきた午前5時。
途中で空港内でフラフラと同じところを何周も歩き回っている人を見つけてしまい、そこから全く気が休まらなかった。
節約のために今まで交通機関はほぼ使わず徒歩メインで観光してきたのだが、さすがに同じように歩き回れる気がしない。
空港で時間を潰している間に「HOLA Barcelona(5日間の交通機関の乗り放題チケット)」と「Aero bus(空港と市内を走るバス)」のチケットをネットで購入し、バルセロナでの観光に余力を残すことにした。
空港で過ごすのも飽きてきた。もうすぐ夜明けだろうと思い、朝6時過ぎに空港を出てバスに乗り込む。
バスで中心地までは30分ほど。
ホステルから一番近い「カタルーニャ広場」で降りたのだが、Googleマップで調べるとホステルまで歩いて20分かかるようだった。しかも太陽もまだ登っていない。完全なる計画ミスだ。
「カタルーニャ広場」は東京でいうと銀座のような中心部なのだが、夜明け前は人がほぼいない。重いスーツケースを両手で引っ張りながら、まだ開店していない有名ブランドショップの明かりを横目に急いでホステルへ向かった。
幸いなことに怪しい人とは遭遇せず、無事ホステルに到着した。
食のスペイン
予約していたホステルは「The Central House Barcelona Gracia」
ホステルが入っている石造りの建物は鉄の扉で施錠がされていたので、横にあった呼び鈴を鳴らした。
「扉を強く押して入って来て」
インターホンから声がして鍵が開いた。
ヨーロッパの古い建物にはエレベーターがついていない場合も多いのだが、この建物には珍しくエレベーターがあった。重いスーツケースを持っているので迷わずエレベーターに乗り込んだのだが、ホステルがあるフロアが何階なのかが分からない…。
最初は地下に行って、次は4階に行って…を繰り返していると「ここだよ~!」という声がしたので声を頼りに階段を下りるとスタッフさんがドアの前で待ってくれていた。
「ここは何階なんですか?」
「2階だよ。スペインの数え方では1階だけどね」
どうやらスペインでは「1階=0階」「2階=1階」というように数えるらしい。イギリスと同じ数え方なのだが、ここは英語ではなくスペイン語。そりゃこんがらがるわけだ、と思いながら一息ついた。
**
残念なことに、まだ朝7時なのでチェックインは出来ない。
どうしようかと思っていたら「シャワーも浴びていいし、ダイニングスペースでゆっくりしていいよ」と、スタッフさんが声をかけてくれた。多分ものすごく疲れているように見えたのだろう。実際、立っているのもやっとなくらいヘトヘトだった。
お言葉に甘えて、シャワーを浴び、髪の毛を洗い、歯を磨いて、新しい洋服に着替えた。
物理的に体がスッキリすると疲れもとれた気がする。ラゲージルームにスーツケースを置かせてもらい、一睡もしないままバルセロナの街に繰り出すことにした。
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本場の”ZARA”
5日間の交通機関乗り放題チケットは明日から使おうと思っていたので、この日は今まで通り、歩いての移動となる。
ホステルを出ると、仕事に行く人、観光客、朝コーヒーを買いにカフェに入る人…。今までどこにこんなたくさんの人がいたのだろうか。明るくなったバルセロナの街にはたくさんの人がぞくぞくと姿を現し始めていた。
ふと前を見ると、ものすごくオシャレなおばあちゃん2人組が目の前を歩いている。
リゾート感のある帽子、白いトップス、青いボトムス、白い履物。すべてマッチしている。これが高校生くらいの年代であれば「仲良しでよくやるやつね」と気にも留めないが、この2人は母よりも年齢が上に見える。しかもめちゃくちゃオシャレだ。
しばらく後ろを歩いていると、2人でおしゃべりしながら自然と、1軒のお店の中に入っていった。
店名を見るとそこは”ZARA”だった。
スペインの会社である”ZARA”。
広さのわりに品数も多くなく、かなりゆとりのある店内。洋服もきちんと畳まれている。海外のファストファッションブランドでは洋服がぐちゃぐちゃのままになっていることが多いのだが、自国ブランドであるというプライドもあり、品位が保たれているのだろう。
それにしても、スペインはオシャレな人が多い。
名称:ZARA
住所:De Gracia, 16, 08008 Barcelona, スペイン
ブケリア市場
そのあとは、食べ物を探しに「ブケリア市場」へやって来た。
フルーツ、野菜、チーズ、お肉、魚…。なんでも揃っている。
揚げ物のお店。
お肉屋さん。スペインといえば生ハムだ。
卵専門店。
地元のおじいちゃん、おばあちゃんたちが集まっていたお惣菜のお店。どんな物を買っていくのか気になってみていると、みんな「煮込み豆」を買っているようだ。
インゲン豆、レンズ豆、ひよこ豆…。
豆の種類はたくさんあるが、具材は豆だけ。「どうやって食べるんですか?」と店員さんに聞いてみると、そのまま食べるらしい。日本でいう”白米”的な立ち位置にいるのだろうか。
味が気になったので「一人分くらいください」と注文すると、店員のお姉さんが量りの上でタッパーに豆を入れながら量を調整してくれた。
手押し車を引きながらおじいちゃん、おばあちゃんが買いに来ているのだからきっと”昔ながらのスペインの味”だろう。ホステルに戻って食べることにした。
名称:ブケリア市場
住所:La Rambla, 91, 08001 Barcelona, スペイン
観光は体力勝負
そのあと「El Corte Inglés」というデパートの食品売り場に立ち寄り、パエリア一人分を持ち帰りで購入。
この日は30度近くの猛暑日。ホステルでシャワーを浴びたときには体力が回復したと思ったのに、歩いているとすぐにコンクリートの道路に体力が吸い込まれていった。
この時点で体力ゼロになってしまったので、まだ13時頃だったがホステルに戻ることにした。
帰り道にガウディ建築で有名な「カサ・バトリョ」、
「カサ・ミラ」を通り過ぎて、ホステルに直帰。
ホステルと同じ建物の1階にあるオーガニックスーパーで水や明日の朝食を買い物して、ホステルに戻った。
「煮込み豆」はとてもシンプルな味付け。きっと地元の人は味の濃いお肉などと一緒に食べるのだろうと想像しながらパエリアと一緒に食べた。
お昼ごはんを食べ終わる頃にはチェックインの時間になっていたのですぐにチェックイン。そして再びシャワーを浴び、16時頃には布団に入った。
男女共用の10人部屋という大部屋だったが、隣の人の物音にも、明かりにも気がつかず、朝までしっかりと寝ることが出来て翌朝には体力が回復していた。
日本を出発してから24日ほど経つが、「一番大切なのは健康、そして体力」ということを改めて感じたバルセロナ1日目であった。
もう二度と空港泊はしない…!!
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